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助産師による母親支援NPO法人地域母親支援サージファムを行う 髙津三枝子さん

お母さんひとりひとりの幸せを助産師の力でお手伝い

病院やクリニックに勤め、看護系大学で教育にも携わった経歴の助産師、高津三枝子さん。201611月に出張専門助産院Sage Femmeを開業し、20179月にはNPO法人地域母親支援サージファムを設立した。そして今、高津さんが取り掛かっているのは、産前産後のお母さんをはじめとした母親支援の活動拠点「Sun-Bar」のオープンです。

 

 

東京都葛飾区に生まれ、群馬県で学生時代を送った高津さん。東京や群馬のほかに沖縄など各地で助産師として働いていました。

「お母さん自身がもっと大切にされるように、母親支援をしたい」

柔らかにそう話す高津さんは、過去にこんな経験がありました。

 

●朝//晩ごはんを保育園でとる子どもたちと働く大人

 

今から10年ほど前。都内にあるマンション一室の認可保育園で高津さんは働いていました。大きなおなかを抱えて保育園を探す大勢のお母さんたち。そして、育休明けすぐの生後8週目になる赤ちゃんを預けて仕事に戻るお母さんたち。当時、保育園では朝ごはん昼ごはん夕ご飯、そして晩のお風呂も提供していました。多くはないにせよ、なかにはその全てを必要とする子どもたちがいました。

「お父さんお母さんと触れあう時間はあるのだろうか?」

「お母さんは自分で育てたくても育てられない社会になっているんじゃないか?」

 

東京という街特有の、子育ての多様な考え方、家族の形、お母さんを取り巻く社会の複雑さを目の当たりにしながら、お母さんそして子どもとの間で葛藤していました。

 

 

東京時代を経て、群馬の看護系大学で学生を育てていた高津さん。

「その頃はどんなことを思っていたんですか?」

 

学生が実習でお母さんや赤ちゃんと接するようになると、直に自分が接していないもどかしさを感じるように。実習が終わると接していたお母さん、赤ちゃんとの関係もそれまでなので「どうなったのかな」「大丈夫かな」とモヤモヤと問題を抱えたままつながりがなくなってしまいます。

「いつまでも親子を見続けていきたい」

 

 

そう思い始め「いつかは開業を」と描いていた独立を、自分の人生で一番に成長できた街、群馬県高崎ですることにしました。これまで、産後間もないお母さんからの個別相談(乳房マッサージ・不安の解消)や各地でセミナーなど開いてきましたが、「いつでもお母さんが気軽に外出して過ごせる場所を」と願い、場づくり「母親交流サロンSun-Bar」のオープンを目指しています。

 

 

San-Bar~心地よい居場所づくり ひとごこち~

 日々、妊婦さんや赤ちゃん連れのお母さんと接する高津さんですが、看護を学ぶ学生と接していて驚いたことは、その多くが妊婦さんや赤ちゃんと接した経験がないということ。

妊婦さんを前にした学生が

「・・なんて話せばいいんですか?」

と質問してくるのに対して驚きがあったそう。

 

「妊婦さんの前に同じ人ですから、普通に接して()

笑い話になってしまうようなエピソードですが、学生に限らず母親も自分の妊娠で初めて赤ちゃんと接した。そんな出産を取り巻く状況が今の子育てや家族環境と言えます。より深刻になっていけば、子育ての孤独や虐待につながっていくことが想像されます。

 

高崎駅東口ほど近くの江木町にオープン予定「San-Bar」は、産前産後のお母さんをはじめ、その家族や地域のシニアの方々ともつながる場所。初めての出産でも不安が和らぎ、産後もお母さんが元気で前向きに子育てができるように継続的支援とメンタル支援を目指しているそう。長年の夢だった起業と、継続的にひとりひとりのお母さんが幸せに寄り添っていくことができる活動に高津さんはいま輝いていました。

「少し休みたい、子育てのお友達が欲しい、相談にのってほしい。小さなことでも気兼ねなく、いつでも来てくださいね」

柔らかな物腰の高津さんが開く新しい母親支援の場所には、笑顔になるお母さんたちの姿が目に浮かびます。

 

 

NPO法人地域母親支援サージファム

 

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TEL : (070)5556-7734

E-mail:mtakatsu@sagefemme.jp