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絵本と人をつなぐ私の仕事~おおさわじゅんこさん~2020春号

 

  おおさわじゅんこ さん

 

   ・高崎市在住、小学校6年生 双子姉妹のお母さん

   ・2019年12月より「めぐる×であう、えほん 絵本日和」代表

   ・NPO法人「絵本で子育て」センター 絵本講師/「大人に絵本を広め隊」隊員/司書

   ・絵本講座やマルシェへの出店を通じ、絵本と人をつないでいる。

 

 

●20代後半:短いフレーズに込められた絵本の魅力

「昔はただ本が好きなだけでした。」と話すおおさわさん。

社会人になり、書店や原画展に足を運ぶ中で、短いフレーズに心がふっと楽になったり、気づきを得られたりする絵本に魅力を感じたそう。

 

 

 

●30代半ば:出産、絵本の新たな楽しさ

お子さんが未熟児で生まれ、仕事を退職。育児の中で、絵本の新たな魅力を発見します。

「子供に読むことで反応が見えたり、お互いの気持ちを共有できたり。一人で読んでいた時には気づかなかった楽しさを知りました。」

 

 

 

●30代後半:自分の楽しみから活動へ

絵本の魅力にすっかりはまったおおさわさん。子供たちが幼稚園に入ったころ、絵本講師の講座を受講してみることに。2ヶ月に1回、3歳の双子をご主人に預けて東京に丸一日という生活に迷いもあったそうですが、ご主人は背中を押してくれました。

資格を取得してしばらく経ったころ、たまたま目にした子育てフリーペーパーの講師募集に応募。それがきっかけとなり、幼稚園の保護者会長をしていた時、PTAで300人の前で話すことに。そして、「自分にとっては普通のことでも、他の人にとっては心を動かされることがある」と気づき、もっと広く伝えようと公民館などで講座を開くようになりました。

 

 

 

●40代前半:すべてを中断、心を支えてくれた絵本との出合い

パートを始め、講師との両立を3年ほど続けたころ、小学校2年生のお子さんたちが学校へ行くのを渋るように。

留守番させてまで働くことに疑問を持ち始め、講座も営業を中止。子供の送迎か家か適応指導教室へ行くか、という生活になり、外で働く時間も心の余裕もなくなっていったと言います。そして、ご主人と相談してすべてを中断することに。

心の葛藤が大きく、子供たちへの読み聞かせもできない日が続いていた時、上のお子さんから手紙をもらいました。

「ママが絵本を読んでいると、元気なんだってわかるよ。元気だってわかると、私もうれしいよ。」

親が子供を見ているようで、子供が親をよく見ているんだなあと実感し、少しずつ読み聞かせを再開することができたそう。

この頃に出合った3冊の絵本が先の見えないトンネルの中にいた心を支え、「人生経験を重ねた大人だからこそ感じられるものがある」と、絵本の力を実感したと言います。

 

 

 

●40代後半:まず自分を幸せに

子供たちが小学校5年生になり、徐々に学校へ行くようになると、心にも余裕が出てきたそう。

しかし、今度はご主人が部署の異動をきっかけに休職することに。

「このころは家族を解散したい!と思ったことも。でも、やっぱりこの家族を諦められない。家族が幸せになるには、まず自分を幸せにすること。そして、経済的に夫に頼るのではなく、できるところから稼ごうと。」

再びパートを始めるのではなく、司書の資格を取ることにしたおおさわさん。

取得は自分への信頼と自信になったと同時に、大人が絵本に出合い、自分自身に出会う場の必要性を感じるものに。

「今も子供たちは朝から完璧に学校へ行っている訳ではないけれど。」と話すおおさわさん。「子供は子供。自分は自分の人生を一生懸命生きることで伝えられることがある。家族に出会え、今ここを一緒にいられることに感謝して、自分で仕事を作り出そうと思いました。」

 

 

 

●情報

ブログ:「今日も絵本日和

Facebook:絵本日和

Instagram:@ehonbiyori

 

●今後の活動

2月18日(火)11:30 絵本ランチ会 @一路堂カフェ

2月27日(木)10:30~14:00 えほんでこそだてカフェ @NPO法人Mam’s Style

 

3月25日(水)10:30~14:00 えほんでこそだてカフェ @NPO法人Mam’s Style