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「農業もデザイン」岩田紀子さんインタビュー(農家の12代目 はるな山麓 農Cafe主宰)

私の仕事「農業もデザイン」

岩田紀子さん

 

・榛東村在住

・農家の12代目 はるな山麓 農Cafe主宰

 

 

 

リノベーションした築100数年の古民家を拠点に「農」をめぐる様々なイベントや取り組みを行う。

 

 

 

■建築デザインの世界に憧れて

上京し、空間デザインを学んだ後、都内で建築デザインの仕事をしていました。

バブル期だったこともあり、スクラップ&ビルドの世界で多忙を極めつつ、やりがいも感じていました。

 

 

■転機の訪れ

ある日、トラックに積まれた機材の山を見て、「まだ使えるのにもったいない…」と。

流行る店ほど頻繁に改装するという現実に、

 

「本当にやりたいと思っていた仕事なのだろうか?」

 

仕事や生き方に迷いが出た頃、父が体調を崩し、余命3か月だと連絡が入りました。

すぐに実家に戻り看病に専念することに。

 

 

■梅農家への転身

父が遺してくれた梅林。

耕作放棄地状態の間も梅の実はなり続けました。

無駄にしたくない一心でインターネット販売を始めると全国から注文が!

家土地、農機具があり、梅も収穫できる。

運命を受け入れ、残してもらったものを継ぎ、生かしていくのもいいと思いました。

とはいえ、建築事務所兼農家の2足のわらじ生活はしばらく続きました。

 

 

 

 

 

 

■自然農法に取り組んで

現在は、農薬や化学肥料を使わずに、梅、米、小麦、大豆などを生産しています。

自然農法を始めて自然の循環や大地との繋がりを感じられるようになりました。

作り手も食べ手も自然に任せて気持ちよく過ごせるのが一番ですよね。

食べたいものを作り、余剰分を皆さんに販売するのが基本姿勢です。

量産はできませんが、する必要も感じていません。

この素晴らしい環境を独り占めするのはもったいないなあと時節の農イベントを行っています。

田植え、梅もぎ、大豆の種まき、稲刈り、味噌や醤油の仕込み会などを開催するほか、県内外のイベントへも出店しています。

 

 

■これから・・・

直近の目標としては、山の間伐に取り組みたいです。

「巻き枯らし」という手法ならば、女性や子どももできます。

効果が出るまでに時間はかかりますが、国土の7割を占める森林に関心を持つ人が増え、私たちの8世代、10世代先の人たちも山を見上げてくれたらいいなと。

また、子ども達が巣立ったら、バックパッカーに戻って旅をしたいという夢も抱いています。

 

 

 

 

 

 

今後の活動予定

*毎週水曜 14時~日没 農Café bioshop(ビオショップ)にて梅加工品・農作物の販売

*最終日曜日(6/28) 梅の収穫祭り 

梅を採ったり、漬けたり、ジュースにしたり、梅林をただただ散歩しても。

*7/1 マムズスタイルで梅の酵素ジュースづくりを行います!定員間近!

 

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                       (執筆:大澤純子 撮影:増田砂弥子)