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本2冊、鍬1本、1反から始めた畑仕事

 

甘楽町秋畑に一人、古民家に移住し自然農法に取り組む広恵ちゃんのお話の続き(前回は綿花)です。

 

 

 

本2冊と鍬1本。1反からスタートした畑仕事

 

「自然農法」という言葉からみなさんどんなものを想像をしているでしょうか。畑に案内されて見た第一印象は「おー!すごい綺麗!」。

(勝手に手つかずの原野を想像をしていました・・)

綿を育て、手で紡いで、それと同じぐらいの時間を掛けて慈しみながら手織りする広恵ちゃんの仕事場「畑」は、とても綺麗でした。

(甘楽町文化会館近くにあります。手前は最近耕したばかりなので何も植わってません)

 

「畑仕事なんて今までやってなかったから、本2冊(自然農法)と鍬1本だけでやり始めたよ」と言います。自然農を始めて10年。最近耕運機を手に入れたそうですが、手仕事で1反づつ耕して7反まで徐々に増やしたのでした。

 

 

「マルチってどんな感じかな~」

今年初めてマルチを張ったというナス。ナスに混じってコンパニオンプランツ(共栄作物)のナスタチウムがオレンジ色に花咲いていました。(このナスタチウムも食べられるそうで、お花入りの華やかな一品に食卓が変身!)

 

 

そしてモロヘイヤといった季節の野菜もお隣に。我が家もモロヘイヤを育てているので聞いてみました。

モロヘイヤは主枝が大きくなってきたらそこでポキッと折ってしまいます。それにより脇芽がぐんぐんとたくさん育ってくるというわけです。育った脇芽は手で折れるあたりでポキポキ折って収穫します。それは綿花も同様で、腰あたりまで生育したところで主枝を折って脇芽を増やし実のつきをよくします。(綿を縦に伸ばし切っている方はやってみてください!)

 

 

 

 

そして脇にはブルーベリーの木が何本も大きく育って実っていました。ブルーベリーの枝は地面に植えていけば根を張っていくそうで、もらった枝が現在のように大きくなったそう。

(実はブルーベリーを自分の手で取るのは初めて)

ブルーベリーのお尻の星型が、ツンツン尖っているのからちょっとツンツンが落ち着いたぐらいが熟した甘い食べごろとのこと。たくさんの実から食べごろを手で見つけていくのはなかなかの仕事。

 

「酸っぱいとか甘いとか食べながらやっているうちに分かるようになるよ」

 

そうです。

子どもがどんどん食べながらそのうち美味しいものしか食べなくなるように、体で感覚として覚えていくのはどんな説明より身になります。

やりながら試しながら、土と作物のその時々の一番を見ていっている様子が伝わってきます。

 

 

ブルーベリーの枝をくれたおっちゃんが、

「金に困ったら木を売れ」と植えていったヒノキの幼木たち(笑)。その根元にできた日陰には山菜のこごみが群生していました。

木々に囲まれて作られたちょっとしたプライベート空間。ここにテントを張ってキャンプしたら楽しそう!

実際、どんぐりの木とヒノキのエリアでは、火を焚いてみんなで味噌づくりといったワークショップをしているそう。土があるって素晴らしい。それだけでなんでもできる可能性を秘めていますね。

 

 

「よく肥料とか使ってるの?」って聞かれるから「使ってない」って答えるけれど「使ってない」っていうのもなんか違うよな~。

 

ここで言う肥料とは、畑の中に生えてくる雑草を刈ってまた元の場所に戻す雑草マルチであり、作物の肥料にする方法。梅雨が明けて一気に気温が上がってくるとそれに合わせて雑草もぐんぐん伸びる。作物を脅かすぐらいな勢いになります。「雑草取りにうんざり!」という方も多いかと思いますが、ここでは雑草の力をうまく利用しながら作物を育てています。

 

 

 

雑草は根から抜かない

 

畑にどんな雑草が生えているかをよく見ると、土のコンディションが分かるのだそう。作物以外の雑草を全て悪役にせずに、何が生えているのか一度ゆっくり眺めるといい。

イネ科のツンツン系の雑草は栄養価がほかに比べて高いので根こそぎ取るより栄養に。丸い葉っぱで花のような形をしたこちら(スベリヒユ)はあまりいい土に生えない雑草。いずれにせよ、刈り取った雑草は腐葉土となって作物の栄養と還元されていく。雑草はだいたい根元から5cm高ぐらいを目安に刈ると、さらに根元を刈るよりその後勢いが緩やかになるそうなので、思い切って残して肥料も育てている気持ちになると良さそうです。そう捉えると、あんなに憎かった雑草も大事な資源に見えてきます。葉は栄養に、そして伸びていく根っこは固くなった土を耕してくれています。根っこも大事でした!

 

隣の畑は化学肥料を使っている畑。その隣は広恵ちゃんの畑。同時期に同じ作物を植えると確かに化学肥料を使っている作物は伸びがいい。しかし最終的な仕上がりは同じような丈の作物に仕上がるそう。

「最初は上に伸びていかないけれど、土の下で栄養を求めて頑張って根を張り巡らせているんじゃないかな」と広恵ちゃん。

作物が自分の力で強く育つ様を感じます。

 

 

子ども時代の母がしてくれた食事療法が根源にあると思うの

 

手作業の多い畑仕事。昔から山登りやバックパッカーで世界を旅していたのかと思いきや、意外にも子どもの頃は病によって体育の授業に参加が出来なかったそう。病を抱えた子ども時代、医者から処方される薬の副作用に悩まされていたと言います。そんな娘のためにお母さんが取り組んだのが無農薬野菜や無添加の食品、発酵食品を家庭に取り入れていくことでした。そんな食事療法が功を奏し今ではこんなに元気に畑仕事を。

お母さんの用意していた食事によって味覚はより敏感になったと言います。農薬をたくさん使った果物などは口の中にしびれを感じ食べられなくなっていました。

 

「食べ物によって身体が作られ病を治す力を秘めていると身をもって実感してきた(母の育て方)の結果、今のような自然農法を選んだんじゃないかな」

 

 

山は地球からの愛を一番感じる安心できる場所

 

「山って豊かだな~って感じていて、燃料は落ちてるし肉は歩いているし美味しい水はあるし!」

中学生の頃から南牧村に憧れ、いつかは山に住みたかったと言います。秋畑の住民の方と偶然にも出会い一気に現在の古民家へとつながって、今はここ秋畑の山へ移住することとなった。車で10分程度山を下れば畑へ。願った山での暮らしと自然農の両立が実現した。

 

「土ってかわいい!」

今回、そう言ってのける姿に今まで土には感じてこなかった新感覚を私は味わいました。

 

土がたくさん集まったら山。

山は土でできている。

山は資源がいっぱい。

そんな山に向かって手作業で向かっていった、10年前32歳の女性。今、ますますそれは魅力的な生き方でした。

 

 

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そんな高橋広恵さん(屋号:和ノ屋)の作った作物はいただくには?

 

現在作物は

・宅配(高崎あたりまで)

・販売ーおかって市場、コナリエ、道の駅甘楽 など

 

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