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永明地区「のびゆくこどものつどい」/前橋市ごみ減量をNPOと地縁組織協働で実施事例

2025年5月11日、前橋市永明地区「のびゆくこどものつどい」のなかの子ども会育成団体連絡協議会企画のひとつとして子ども服リユースをマムズスタイルで実施しました。

当日は子育連役員の方は受付、木瀬中学校の中学生たちは来場のお父さんお母さん子どもたちに洋服を勧め交流したり、新しく持ち込まれた品物を仕分けたりするのを担当して約3時間活動しました。欲しい服や本、おもちゃを地域内で循環させる取組でしたが、ここでは「環境」に「教育」要素をプラスして実施。欲しいものが決まったら、受付で配った「ありがとう こうかんチケット」を中学生に渡してもらい、地域の人からの「ありがとう」を貯めるのをミッションに設定しました。さて、何枚(何人)の人から「ありがとう」をもらえるでしょうか。

 

2年生3年生男女の中学生でしたが、普段からお友達のように和気あいあいと活動。来たお父さんお母さん、乳幼児の小さい子も含めて服や本、おもちゃを通じ全く躊躇なく会話を弾ませていました。(社交的!)

\お陰で会場では89名のありがとうをもらいました/

 

<感想>

役員保護者の方―(自分の子どもではなく)中学生とたくさん会話できました。普段の学校やみんなのことを知ることができ、いい機会になりました。

中学生―初めてのびゆくのボランティア活動でどうなるかなと思いましたがとても楽しく活動できました。来場した人たちがやさしく接してくれてよかった。

 

私も初めての貴重な機会をもらいました。ありがとうございました!

 

さて、地区行事「のびゆく」にNPOとして初めて参加させていただきました。来場の県議さんから「地区行事の内容は割と例年通りで固定化されがち。新しい、珍しいものがあると思った!」とお声がけいただきました。NPOが地区行事にいる。ありそうでない、珍しい参加だったと思います。その経緯といくつかの要素を書き留めておくと、住民自治や地域に溶け込むNPOについて検討できる材料になりそうです。

 

■永明地区「のびゆくこどものつどい」参加経緯■

今回は子育連会長のお誘いで、普段の子ども服を循環させる活動の延長として実施しました。お誘いに至るには、2023年まで遡ります。

 

2023年11月「第一回 市民がつくる、未来のまえばし会議~自分ごと化会議in前橋~」

*主催めぶくグラウンド株式会社、共催一般社団法人構想日本

 

2023年無作為抽出による市民が集まり、官民共創によるまちづくりとして地域課題と住民が議論する場が2024年まで4回+2025年に同窓会企画1回が実施されていました。ここでは、前橋市住民ならば誰もが関係する「前橋市のごみ問題」をテーマに、その地域課題を自分ごととして「個人でできること」「地域でできること」を議論してきました。その無作為の参加者が、子育連会長と私(NPO、前橋市廃棄物減量等推進審議委員)でした。

 

普段私たちが排出しているごみは一体どのぐらいで、どのぐらいの経費を掛けて処理されているか知っていますか。ごみ政策課資料がこちらです。

市民一人あたり¥10352(R4)

*ひとりひとりがおにぎり1個分ごみを減らそう推進中

*市のごみの総排出量はH27(122,121トン)からR4(110.868トン)へと年々減少しR5もさらに減少中(要因調査中)

 

 

 

「ごみ排出量が減るとどんないいことがあるのか?」

住民と行政の協働事例として徳島県佐那河内村の取組を学びました。市と村では規模が異なりますが、住民から発露される行政任せにしない自治が、まだ着手されていない住民福祉に生かされる取り組みは学ぶところがあります。

徳島県佐那河内村/廃棄物行政を変えた地域力~"伝統の絆"を活かしたゴミ分別運動~ - 全国町村会

• ゴミ処理経費の縮減 平成13年度約4,400万円が平成18年度約2,000万円

• 縮減された経費で9歳未満の乳幼児医療費無料化

 

 

学びと議論を繰り返す中で、「個人でできること」「地域でできること」が今年の永明地区「のびゆく」で、子ども服を地域内で循環させる企画とお豆腐の相模屋さんの開発品前橋市指定ゴミ袋(バイオマスプラスッチック)企画が新規に実施されました。

 

前橋市×ベイシア×カインズ×相模屋食料×井上ビニール 前橋市で地域一体となり市指定ごみ袋のレジ袋販売の実証事業を開始 ~「おから」を使用したバイオマス素材の袋で資源循環に寄与~ – ベイシア

■NPOと地縁組織■

 

NPOや子ども会など市民活動として似ているような、そんな曖昧なイメージがあります。それぞれはその目的と担っている範囲が異なります。とてもざっくり言いますと

・NPO―有志参加、活動範囲は市または県・全国、社会課題解決目的、受益者は目的に沿った人物

・地縁組織―地区住民参加、活動範囲は地区内、地域生活充実目的、受益者は地区住民

 

NPOは範囲や参加者に対して自由度が高いのに対し、地縁組織は住民でなければ参加できない特性があります。そうしたこともあり、今回のように地区で見れば住民ではない部外者が中に入れるのか、その点はひとつ引っかかりを持っていました。前述の県議さんがおっしゃるように行事は例年踏襲されることが多く、新しいものが会内に受け入れられるのか(つまり新しいことは面倒、踏襲したほうがやることや仕事が既に明確なのでやりやすい)、この点も2つ目の引っかかりとして持っていました。これらが永明地区では会長さんのごみ減量に対する実行力と役員の方々への共有理解がなされ、子育連のなかにNPOと相模屋さんの参加に至ったことと思います。

 

地縁組織については市や県内においても、高齢化・人口減少・コミュニティの希薄化・文化の変化による担い手不足、事業の縮小など地区が地区住民で維持できなくなってきている現状があります。テーマ性のあるNPOが当初から活動場所とする地区で、その地域課題解決を含んで活動しているかといえば必ずしもそうではありません。

遠くの人ではなく、自分に一番近い人(家族)からまずは幸せにしよう、というフレーズをよく聞きますが、同じようにNPOとしても一番は徒歩圏内の市民に愛される場と活動でありたいと考えています。地縁組織との連携・協働は、その一歩のように感じます。当日だけ切り取れば、「のびゆくにマムズスタイルがいたな!」ではありますが、年間通した前橋市のごみ減量を自分ごと化する議論とNPO×地縁協働の観点から、当日を迎えた経緯をご覧になった他の団体の参考材料になればと思います。

 

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